■ はじめに:FIT制度の終わりと新しい選択基準

これまでの再エネは、国が買い取るFIT(固定価格買取制度)が主流でした。しかし、これからは市場価格や相対取引で売買される「Non-FIT」の時代へ移行しています。この変化は、需要家にとって「単に安い電気を買う」時代から、「どの発電所から買うか」を選ぶ時代へのシフトを意味します。

■ 「顔が見えない再エネ」のリスク

価格だけを追求した結果、森林を大規模に伐採したり、地域住民とトラブルを抱えたりしているメガソーラーの電気を買ってしまっては、企業のESG評価(環境・社会・ガバナンス)を下げるリスク(グリーンウォッシュ批判)に繋がりかねません。

■ 「納得感のある再エネ」が企業ブランドを作る

Non-FIT時代において重要なのは、「誰が、どこで、どんな想いで発電しているか」というストーリーです。例えば、地域の休耕地を活用したソーラーシェアリング(営農型太陽光)や、間伐材を使ったバイオマス発電など、環境と地域に配慮した「品質の高い再エネ」を調達することは、ステークホルダーに対する強力なメッセージとなります。

💡【Tips:専門用語解説】

FIT(固定価格買取制度)とNon-FIT:
FITは、再エネで発電した電気を「国が定めた固定価格」で電力会社が買い取る制度。この制度に頼らず、発電事業者と需要家が独自の価格で直接取引を行うモデルなどを「Non-FIT(非FIT)」と呼びます。

グリーンウォッシュ:
環境(Green)に配慮しているように見せかけて、実態が伴っていない、あるいはごまかしている(Whitewash)状態を指す言葉。企業の信頼を大きく損なうリスクがあります。

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電):
農地に支柱を立て、上部で太陽光発電を行いながら、下部でこれまで通り農業を営む仕組み。一つの土地から「農作物」と「電気」の2つを生み出す、地域共生の代表的なモデルです。